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筆者がこの記事を書いているのは平成30年1月15日です。
祝日法が改正されてハッピーマンデー制度が導入される以前にこの日は「成人の日」でしたが、
私の個人的な印象としては「東京で雪が降りやすい日」でもあります。
この日に限ってなぜか雪が降ることが多かったように思います。
雪が降ると、マンションの管理をしているフロントは大忙しになります。
今回は雪対応に追われるフロントのお話です。
■雪にとても弱い都市・東京。年が明けると毎年、雪に追われる日が来る!

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西高東低というのが典型的な冬型の気圧配置で、
日本海を超えてきた風は途中でぶつかった山に雪を降らせてしまっているため、
東京にたどり着いた時はすっかり乾燥しています。
そのため東京ほとんど雪の降らない街となっているのですが、
年を超えると太平洋側をふらふらと進む低気圧が月一の頻度で現れ、
これがもたらす雪が時には都市機能を麻痺させるほどの混乱をもたらします。
たかが10cm程度の雪でオタオタするなど雪国で暮らす方には信じられないでしょうが、
これが東京という街が持つどうしようもない弱点なのです。
■繁忙期のフロントの業務内容を一変させる雪の予報
人々の生活の場であるマンションを管理しているフロントにとっても、
雪が降ると大いに影響があります。
すべてのマンションで雪に対する十分な備えができていれば問題ないのですが、
現実はなかなかそうはいかないものです。
雪かき用のスコップがない、たとえあっても数が足りない、壊れてしまって使い物にならないなど、
分かっていたけどつい先延ばしにしてきたことが、いきなり目の前の問題として出現します。
筆者の場合は、12月から3月くらいまでが担当マンションの総会がたて込む繁忙期で、
この時期は直近の理事会や総会のことで頭がいっぱいになっており、
天気予報で降雪の情報を知って、初めて慌てることが多かったように思います。
担当物件の備品の状況については一通り頭の中に入っているので、
雪かきのための備品が足りないマンションはすぐにわかります。
そのため、他のフロントと会社周辺のホームセンターやDIYの店を社有車で駆け巡ったものです。
■マンションの管理員だけじゃなくフロント自身が雪かきをする場合も!

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共同住宅であるマンションにおいて、
共用部に降った雪は誰が除雪するのかという問題がありますが、
まず管理員がやる場合がほとんどで、
居住者の方が手伝ってくださる場合もあります。
管理員の勤務日数の少ない小規模マンションの場合には自分で雪かきをしましたし、
「管理員が雪かきをしない」というクレームの電話が入って、
物件まで飛んで行ったこともあります。
東京の雪は水分が多いのですぐに凍ってしまうんです。
そのため共用部の主要部分と前面道路の除雪はかなりの重労働であり、
体力面では人並み以上だった筆者でも疲労困憊したものです。
だから、どのような状況になっても対応できるよう、
この時期は会社の机の下に長靴を常備していました。
■アンテナ、エレベーター…。雪は意外な場所にも影響する

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雪の影響というものは意外なところにまで及ぶ場合があります。
BSアンテナなどに雪が積もって電波の受信障害が発生したこともあれば、
共用廊下に吹き込んだ雪の影響でエレベーターのドアが閉まらなくなったという事例もあり、
その度ごとに昼夜関係なく業務用携帯に電話がかかってきたものです。
今年も雪の降りやすい時期になってきました。
マンションフロントとはそういう仕事と自分を納得させるしかありませんでしたが、
この時期になると、何の心配もなく雪景色を眺められるような生活がしたいと思ったことを思い出します。