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こんにちは、「なんでも大家」のアサクラです。
5分前までは、あたりまえだった生活すべてが一瞬に崩れ去る――。
東京在住の人々にとってはどこか他人ごとのように思えていた大地震も、あの3.11の震災以来、グッと身近に感じられるようになりました。
とくに、うちの物件のように旧い耐震基準の時代に建てられたマンションの場合、せめて非常用品や食糧の備蓄については万全を期したいと思っています。
今回は、いまや「マンション/戸建て」「賃貸/分譲」関係なく、みんなが真剣に考えねばならない問題「非常時のための備え」について考えたいと思います。
倉庫のなかの非常用品、いったいなにが問題?

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僕がマンションの経営を引き継いでしばらくしてから倉庫の中身を確認してみたところ、備蓄されていた非常用品は、以下のとおりでした。
- ペットボトル入りの水
- トイレットペーパー
- ティッシュペーパー
- カップ麺
- コーンスープ缶
- 乾パン
- 灯油ストーブと灯油
- 非常用トイレ
- 非常用品の入ったリュック
どうでしょうか?

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「ひとまずこれくらいそろっていれば大丈夫では」と思った方がいたら、ちょっと油断していると思ったほうがいいでしょう。
上に挙げたもののなかで、現在でも文句なしに役立つといえるのは、「水」「トイレットペーパー」「ティッシュペーパー」だけだと思います。
ここからは問題点を挙げながら、改善方法を検討していきたいと思います。
お湯なしでも食べられる非常食の実力とは?

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まず、カップ麺と乾パンから検討していきます。
乾パンといえば非常食の定番ですが、乾パンの固さは子どもや老人には不向きですし、食べたときに口が乾いて水分がほしくなってしまうのも難点です。
また、カップ麺には「お湯がなければ作れない」という欠点があります。
そもそも非常時にお湯が使えるとは限らないですよね。

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「ペットボトルの水を沸かす」というひと手間が、精神的にも労力的にも大きなハードルになることでしょう。
加えてカップ麺の消費期限は意外に短く、半年~1年ほどであるのも問題です。
毎年、非常食を更新するのは、コストを考えても割に合いません。
そこで、乾パンやカップ麺のかわりに非常食としてオススメしたいのが、水を入れるだけで食べられる食品です。
うちで備蓄しているのは、こちらです。
今回は、このうちの「保存食 牛飯」(サタケ)を実際に食べてみようと思います。
パッケージを開封すると、中はこんな感じです。
すでにスプーンも入っているので食器の準備も必要ありません。
裏面の作り方によると熱湯でも調理できますが、今回は非常時を想定してあえて水で調理します。
水を入れるラインが記載されているので、決められたところまで水を注ぎます。
ちなみに、水量を増やすことで「雑炊」にすることもできるそうです。
あとはかきまぜてからフタを閉じ、一時間待つだけ。
水と時間さえあればいいので、非常に簡単ですね。
出来上がりました。
きちんとごはんの形になってますね。
肝心の味はどうでしょうか?
もちろんパッケージのままで食べられるのですが、今回はわかりやすくリポートするために、お茶碗によそって食べてみたいと思います。
盛りつけると、お茶碗2杯分になりました。
パッケージによれば、できあがり量は「260グラム」。
1パックでできる量としては十分ではないでしょうか。
実際に食べてみると、味も食感も悪くありません。
炊き立てのごはんのようなモッチリとした食感はなく、ややボソボソとはしていますが、前日に作ったごはんの残り物を食べているくらいの満足感はあります。
具は細切れになった牛肉とショウガが入っていますが、「牛飯」というには少なめ。
「牛飯風の味つきごはん」という程度に考えて食べるべきでしょう。
味の濃さはやや薄めで食べやすい印象です。
塩味が濃いとのどが渇いてしまうので、うす味にしてあるのかもしれません。
全体的な感想としては、水を入れただけで作れる非常食だということを考慮すれば、かなりおいしいといえると思います。
万が一のとき、このように普段の食事に近いものが食べられることはありがたいと思います。
非常食は「なにに入っているか」も大事

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続いて、コーンスープ缶について検討します。
こちらは温めなくてもただ開けるだけで食べることはできますが、問題は缶入りという点です。
缶は食べ終わったあとに洗わないと廃棄できません。
そのために水を使うのは非常時には無駄使いになるでしょうし、そのままにしておけば衛生的に心配です。
そこで、同じスープでもパック入りのスープを選ぶことをオススメします。
たとえば、うちでは「野菜たっぷりスープ」(カゴメ)を備蓄しています。
「長期保存可能」と銘打つだけあり、3年半の保管が可能です。
取り出してみると、こんな感じです。
先ほどのごはんと同様、災害時にお湯が使えない想定で、温めずに食べてみます。
開けてみるとこんな感じ。
先ほどの「牛飯」と同様、そのまま食べることができますが、お茶碗によそって食べてみます。
ちょうど1杯分でした(1袋あたり160グラム)。
スプーンですくうと、キノコや押し麦、たまねぎやトマトなど、具材も豊富です。
油っぽくないので、温めなくても十分に食べられます。
先ほどのごはんものと組み合わせれば、非常時の食事としてはかなり満足感があると思います。
食べ終わったら、たたんでコンパクトにして廃棄することができます。
いかがでしょうか?
近年は、東日本大震災等の影響もあり、食品メーカーの非常食開発のスピードはめざましく、水だけで食べられる驚くほどおいしい食品がたくさんあります。
自分好みのものを選んで備蓄しておけば、消費期限が迫ったときにインスタント食品代わりに通常の食事として食べることもでき、無駄になりません。
次回は、食品以外の非常用品について検討します。