マンションの設備でいちばんの金食い虫!? 「エレベーター」あるある

 


今回はマンションに欠かせない代表的な設備であるエレベーターについて取り上げたいと思います。

エレベーターは生活の中で日常的に使う身近な機械であり、それだけに管理組合の一般会計における最大の金食い虫で、理事長やフロントにとっての頭痛の種でもあります。

そのため今回はエレベーターにまつわる「あるある」的なお話、次回はマンション管理におけるエレベーターが抱える諸問題(特にお金にまつわる話)と2回に分けてご紹介します。

 

■エレベーターの設置について法的な基準はない

白熊 / PIXTA(ピクスタ)

典型的な団地であるかつての公団住宅では、エレベーター無しの4階建て、5階建ても珍しくありませんでしたが、最近のマンションでは3階建てでもエレベーターが付いているのが当たり前のようです。

それでも筆者はこれまで1回だけエレベーターのない6階建てを見たことがあります(ここで飛び込み営業をやったら、足がパンパンになりました)

意外に思われるかもしれませんが、マンションにおいてエレベーターの設置を義務付けられる基準というものはありません。

kunio / PIXTA(ピクスタ)

建物の用途に応じた基準はいくつかあり、高さ31メートル超の建物には「非常用エレベーター」を設けなければならないと定められ、サービス付き高齢者向け住宅においては3階建て以上でエレベーターを設置することが定められています。

また不特定多数の利用が見込まれる建物において、2階建て以上にはエレベーターを設置しなければなりません。

しかし一般の住宅において、「何階以上」というような建物の階数によってエレベーター設置を義務づける法律はないのです。

 

■エレベーターに鏡が付いているのは何故?


エレベーターの中に鏡が設置されている場合がありますが、これがどのような目的なのかご存じでしょうか。

実はこの鏡は髪型や服装を整えるためだけに付けられているのではなく、「車椅子の方のための鏡」なのです。

車いすの方は通常エレベーターには前向きに乗りますが、安全を考えると降りる際にも前向きに出ることが出来れば最善です。

しかしマンションのエレベーターの場合、籠の内部で回転できるほどの広さはありませんので、どうしても後ろ向きに降りなければなりません。

その際に後方の安全を確認するためのバックミラーになるように、鏡が設置されているのです。

 

■棺桶を入れたことも!「トランク」は何のためにある?


エレベーター正面の壁に観音開きの扉が設置されている場合があります。

こちらはトランクと呼ばれる設備で、扉を開けると奥に小さなトランクルームが設けられており、救急車のストレッチャーを入れるためのものです。

YNS / PIXTA(ピクスタ)

一般的なマンションに設置されているエレベーターは、6人乗りもしくは9人乗りが多く、かごのサイズは6人乗りで奥行115cm、9人乗りだと152cmくらいですが、救急車のストレッチャーは全長200cmあるため、この差を補うものがこのトランクルームなのです。

トランクの使用法の例えとしてはストレッチャーが挙げられますが、筆者が実際に出くわしたのは棺桶を運ぶ場合です。

ご遺体を斎場に運ぶ前に、ちょうど管理員のいない時間帯に一旦自宅に戻すということで、トランクを開ける鍵を居住者の要請で事前に預けたことがあります。

KOHEI 41 / PIXTA(ピクスタ)

このように管理員がいない時間帯にはトランクが開けられないというのは隠れた問題となっていて、これを解決するために平成15年以降トランクの鍵が統一されました。

この鍵を救急隊も所持することで、現在では24時間いつでもトランクの扉を開けることができるようになっています。

ちなみに、この統一された鍵には「EMTR(Emergency Medical Trunk Room)」という英字が刻字されています。


しかし平成15年以前のマンションの場合はこのEMTRの対象外であるため、エレベーター内にキーボックスを取り付けた、こちらのマンションのような対策を取ることが必要かもしれません。

 

■エレベーターはネタの宝庫なのです

EKAKI / PIXTA(ピクスタ)

とある管理組合の理事会で話題になったことですが、そちらの理事長はエレベーターを降りる際には1階のボタンを押し、常に1階まで下ろしておくことがマナーだと思っていたそうです。

上層階から乗ってくる人もいるわけですから、このような行為はマナーでも何でもなく、単なる電気代の無駄でしかありません。

エレベーターにはこのような話が数多くあります。

様々な人が使用するエレベーターは、マンションに関するネタの宝庫でもあるのです。