リノベーションQ&A ~ビギナーが抱える ギモンにお答えします!~

リノベーションQ&A【2.資金計画】〜ビギナーが抱える疑問にお答えします!

戸建てリノベーション初心者も安心!!RENOVATION Q&A

この連載では、初心者が安心してコダテリノベ(戸建リノベーション)に取り組めるように、プロの意見を交えながら、8つのチェックポイントをQ&A形式で分かりやすく解説します!

今回はリノベーションの費用である「資金計画」について。
新築と違い、中古物件をリノベーションするには、どのくらいの費用が必要なのでしょうか?
ローンや税金、様々な制度など、専門家が正しい知識と賢く活用できる資金計画について伝授します!

第2章 資金計画

リノベーション(以下リノベ)費用にはローンが下りなかったひと昔前に比べると、今は一体型ローンや減税、補助金などの制度も整ってきました。

ただし、いろいろな条件があるので、正しい知識を身につけて、賢く活用しましょう。

 

Q6 予算はどれぐらいかかる?

A.自己資金は物件価格の1割では不十分

ハコの中身だけで共用部のサッシなどは変えられないマンションと比べると、戸建ては構造、屋根や外壁、外構など、全体にお金がかかるため、工事費がかさむのは当然です。

工事費

freeangle / PIXTA(ピクスタ)

また、個々の住宅の状態によっても費用は大きく変わるため、なかなか坪単価では表しにくいとA&Cのコーディネーター、岡本典子さんは語ります。

それでもしいて目安を挙げるなら、延床面積80平米の住宅の場合で、構造は触らず、仕上げ材と設備の交換だけで最低1,200万円、床・壁・天井をはがして下地からやり直したり、階段の掛け替え、吹き抜けの新設など、大がかりな間取り変更が伴うと最低1,500万円はかかるそう。

さらに、外壁塗装や屋根の葺き替えが加わると200万~300万円は上乗せになります。

Q8で後述するように、今は物件購入とリノベ費用をセットで借りられるローンも増えているので、全額借りることも不可能ではありませんが、特に中古住宅購入の際には、物件代の3%余りも取られる仲介手数料をはじめ、所有権を移転するために払う税金や司法書士への報酬などの諸費用が意外にかかります。

これにローンにまつわる諸費用を加え、引っ越し代や家具・家電の購入費も想定すると、物件価格の1割は必要になる勘定です。
しかも、戸建てのリノベの場合は、これだけでも不十分だと岡本さん

「購入前は表からの目視しかできないため、内装をはがして初めて、シロアリ被害や、浴室回りの柱が腐っているといった傷みが見つかることはよくあります。そういう不測の事態に備えて、自己資金は物件価格の1割+50万~100万円意しておきたいですね」

 

Q7 リノベでもローンは組める?

A.物件購入+リノベ費用が一体のローンも。ただし周到な準備を!

新築とほぼ同じ条件で、物件購入とリノベの費用をまとめて借りられる、一体型の住宅ローンが登場して10余年。

住宅ローン

Naoaki / PIXTA(ピクスタ)

今では取り扱う銀行も増えてきました。しかし、案外知られていないのが、その仕組み。

リノベ費用も同時に借りるためには当然、だいたいの金額が分かっていなければなりません。

ローンの仮審査時には工事の見積書やリノベ後の平面図の提出が求められます。
物件購入の申し込みから売買契約までには約1週間しかないため、申し込み後にリフォーム会社や建築家に依頼したのでは到底間に合わないのです。

リノベーション資金計画

A&Cの岡本さんによれば、ローン仮審査時に提出した図面どおりに完成させなければならないという決まりはないので、工事請負契約まではプラン変更は可能出そうとです。

しかし、一度借り入れ額を設定してしまうと、あとで増やすことはできないため、やはりどんなリノベがしたいか、それにはどれぐらい費用がかかるかは業者とよく相談しておく必要があるといいます。

つまり、物件より先に設計者選びを進めたほうが、見学にも同行してもらえて、一石二鳥というわけです。

 

Q8 減税や補助金など、お得な制度はある?

A.住宅ローン減税や補助金については、諸条件があるのでよく調べよう

よく耳にする「住宅ローン減税」とは、10年間にわたって毎年、年末ローン残高の1%が所得税から控除される制度のこと。

中古物件購入やリノベ工事費も対象になりますが、それぞれ条件があるので、要注意なのです。

物件については、延床面積50平米以上、ローン返済期間10年以上、年間所得3,000万円以下に加え、中古の木造住宅の場合は築20年以内であるか、一定の耐震基準に適合しなければなりません。
また、工事費は100万円以上であることが条件。

A&Cでは築20年超の戸建てリノベを行う人が大半なので、もっぱらリノベ工事費のみの控除を受ける人が多いそうです。

耐震、バリアフリー、省エネに特化した改修については、税の優遇があるだけでなく、国や自治体が多様な補助金を用意しています。

費用をかけてでもそうした面に力を入れたリノベをしたい人は、事前に情報を集めておくといいでしょう。

(つづく)

(伊藤ハムスター= 扉・人物イラスト、安田はつね= 建物イラスト、アートアンドクラフト/中谷ノボル・枇杷健一・岡本典子= 取材協力)
(住まいの設計2017年1・2月号より)

 

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中谷ノボル氏 アートアンドクラフト代表
大阪市生まれ。大学の建築学科を卒業後、不動産営業、建築設計、現場監督などを経験し、1994年アートアンドクラフトを設立。
地域の古いビルを再生した宿泊施設や、不動産のセレクトショップ『大阪R 不動産』の運営も手掛ける。

 

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