実は管理人泣かせ!? 住人も知っておくべき「オートロック」の落とし穴

 

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日本のマンションにオートロックが登場するのは1977年に始まったとされる第4次マンションブームの頃からだといわれています。

筆者が不動産業界に転身した1997年の段階ではまだまだ数は少なかった記憶があるので、普及にするのに時間のかかった設備なのかもしれません。

そんなオートロックですが、現在では設置されているのが当たり前の設備となりました。そこで今回はオートロックにまつわるお話をしたいと思います。

 

オートロックは、管理という点では厄介な設備

オートロックはマンションの玄関部分に設置される設備であり、外部からマンション内に入る際の最初の関門です。

防犯面で重要な役割を果たす設備であるとともに、一旦トラブルが発生すると開けっ放しになる、あるいは中に入れなくなるという事になって重大な影響を及ぼします。

人の出入りの度に作動する設備であり、またセンサーというデリケートな装置も絡んでいるため、オートロックトラブルというのは意外に多く発生しました。

エレベーターや機械式駐車場のように定期的に点検する設備ではないため、トラブルは不意打ちのような形で発生しますが、場所が場所ですから、その都度最優先で対応せねばならず意外と厄介な設備でした。


ドア枠部に設けられたセンサーをハンカチで拭いただけでトラブルが解消したというような事例もありましたが、大抵の場合は修理完了まで結構な時間がかかったように思います。

それまでは目立つ場所に「故障中」という貼り紙をせねばならず、「いつになったら直るんだ?」という住民からのプレッシャーを感じる毎日でした。

 

オートロックでも意外と簡単に中に入れる!?

オートロックといっても意外と簡単にマンション内に入ることはできるものであり、オートロックだから安全などとは決して考えないようにしてください。

現在のオートロックでは内側のセンサーがドアから少し離れた場所に設置されていますが、古いタイプではすぐ内側に設置されていました。

そのようなタイプでは、ドアの隙間からチラシを差し込んだだけでも内部のセンサーが反応してドアが開いてしまうことがあります。

居住者の出入りに合わせて侵入するなど誰でもできることですので、出入りの際は周囲を確認すのはもちろん、玄関ドアにもしっかりと施錠するようにしてください。

 

「管理用暗証番号」が設定されている場合がある

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原則として鍵を使用しなければ開かないのがオートロックですが、管理用に暗証番号が設定されている場合があります。

これはバレてしまうと鍵が無くても自由に出入りできるようになるため最高機密扱いされ、居住者から問い合わせを受けた際には「そのようなものは存在しません」と回答していました。

そのため操作する際は、周囲に人がいないことを確認して手早く行うよう心掛けていたものです。

そこまでしていたにもかかわらずなぜか居住者にばれ、さらに子ども同士のつながりで外部にまで知られてしまったことがあります。

友達の家に遊びに行くため、マンション外の子どもが館内に勝手に侵入するというよう事態になったため放置できず、公式には「〇月〇日〇時をもって番号は廃止します」と発表し、それに合わせて番号を変更しました。

管理用キーの保管場所の関係でどうしても暗証番号が必要な場合があるのです。

 

消防隊専用のスイッチがあるって知ってた?


オートロックの集合キーが設置されている場所の天井か壁の高い位置に、上の写真のような装置が取り付けられていることをご存じでしょうか。


これは非常時にオートロックを外から解錠するための「消防隊専用のスイッチ」であり、いたずらされたりしないようわざと高い位置に設置されています。

担当マンションでボヤ騒ぎが発生したことがありましたが、到着した消防隊員がなぜかこのスイッチを知らず、中に入れないと騒ぎになったことがあります。

結局、1階の店舗の人が開けてあげたということですが「消防隊が中に入れないなんて管理会社は何をやっているんだ」と居住者の非難がこちらに寄せられ、誠に困惑させられた記憶があります。

 

玄関の鍵交換の際に発生する問題とは?

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オートロックのマンションではエントランスの集合キーと玄関キーが連動している必要があり、そのため玄関キーを交換する場合には少々面倒なことになります。

単にキーシリンダーを交換するだけなら筆者でもできるくらい簡単な作業ですが、オートロック連動キーの場合は基本的にオーダーメイドであり、発注から入荷まで1か月半程度かかる上に高価です。

そのため鍵交換を頻繁に行う賃貸物件の場合、オートロック連動キーは使用せず、オートロックキーと玄関キーの2本をセットにして渡すようにするのが一般的でした。

 

鍵が引っ掛かっても「CRCスプレー」を吹き付けては絶対にダメ!

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最後に、やってはいけないことをお教えします。

集合キーは人の出入りがある度に操作されるため消耗が激しく、差し込んだ鍵が引っ掛かったようになって回せないという事例も比較的よく発生します。

この際ついついホームセンターで販売しているCRCスプレーを吹き付けたくなりますが、これは絶対にやめてください。

すべりが良くなって引っ掛かりは一時的に解消しますが、スプレーの油が空気中のホコリを吸い寄せてしまうため、更なる事態の悪化を招くことになります。

鍵メーカーが発売している「キースムーサー」という潤滑剤があり、これを使用すれば大抵の鍵トラブルは解決するので覚えておいてください。