リノベーションQ&A ~ビギナーが抱える ギモンにお答えします!~

リノベーションQ&A【総論】〜ビギナーが抱える疑問にお答えします!

戸建てリノベーション初心者も安心!!RENOVATION Q&A

この連載では、初心者が安心してコダテリノベ(戸建リノベーション)に取り組めるように、プロの意見を交えながら、8つのチェックポイントをQ&A形式で分かりやすく解説します!

前回まで、リノベーションを考える際に大切な「物件選び」と「資金計画」についてお話ししました。
今回は、これまでの総論について。
リノベ界のパイオニアとして知られるアートアンドクラフトを率いる中谷ノボルさんにお話しを伺いました。

総論

リノベなら身の丈に合った個性的な家が手に入る!戸建てならではの縦の空間を遊び尽くそう!

リノベ界のパイオニアとして知られるアートアンドクラフトを率いる中谷ノボルさんに、中古住宅+リノベを選択する人が増えてきた背景や、戸建てを中心にしたリノベの魅力について語っていただきました。

19年前、中古マンションの一室を全面リノベして売り出す事業を始めた中谷さん。当時は物珍しがられたリノベがここまで普及した現状について、こう語ります。

マンションリノベ

SoutaBank / PIXTA(ピクスタ)

「僕はよく、住宅もようやく『民主化』してきたんだと言っています。高度成長期に大量に建設された団地にはじまり、以前はマンションや建売住宅のような完成品を買うしかなかった。
そんな中、もっと自由に手頃な値段で、自分の好みやライフスタイルに合った家を手に入れたいという人が増え、中古住宅をリノベするという選択肢が一本の太い柱として成長してきたんだと思います」

古着やアンティーク、懐しい音楽にも魅力を感じ、新しいものと古いもが混在した空間に違和感を持たない若い世代にとって、日本はいってみれば宝の山。

築20年もたてば家の価値はほぼなくなり、土地だけの値段でタダで古家がついてきます。

こんなに中古住宅がお買い得な国は、海外にはないと中谷さんは言います。

 

マンションと比べて、戸建てリノベならではの魅力とは何なのでしょうか。

戸建てリノベ

TATSU / PIXTA(ピクスタ)

「高さを生かして立体的につくれるところですね。吹き抜けをつくったり、屋根の勾配をそのまま表したり、あえて高いところに天窓や高窓をあけて光を落としたりすると、おもしろい空間になります」

 

万一、間取り変更ができないなど、見込みはずれの古家を買ってしまったらどうすればいいのかと問うと、こんな答えが返ってきました。

「そこをなんとかするのが設計者の仕事ですし、悪条件を逆手に取ったほうが、かえっておもしろい家ができる可能性もあります。
特に戸建てのリノベを選ぶ人には、そういう予想外の事態も一緒に楽しめるぐらいの余裕が必要かもしれません」

 

こちらは、アートアンドクラフトが手掛けた大阪・梅田からほど近い沿線の駅前商店街沿いにある住宅。

戸建てリノベ

【Before】

街と密接する1階の土間から2階へ上がると、天井高5m の明るく開放的な大空間が出現。

戸建てリノベ

【After】 天井高5mの大空間が出現!

戸建てリノベ

【After】基礎や骨組みから全面リノベすることで、縦につながった木造戸建てのおもしろさを存分に生かしつつ、古い家の名残もほどよく感じられる住まいへと一変した

 

(伊藤ハムスター= 扉・人物イラスト、安田はつね= 建物イラスト、アートアンドクラフト/中谷ノボル・枇杷健一・岡本典子= 取材協力)

(住まいの設計2017年1・2月号より)

 

pfofile


中谷ノボル氏 アートアンドクラフト代表
大阪市生まれ。大学の建築学科を卒業後、不動産営業、建築設計、現場監督などを経験し、1994年アートアンドクラフトを設立。
地域の古いビルを再生した宿泊施設や、不動産のセレクトショップ『大阪R 不動産』の運営も手掛ける。

 

『みんなのリノベーション―中古住宅の見方、買い方、暮らし方』
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