長女(5歳)と長男(3歳)の子育てを、平日はほぼワンオペで行っている、整理収納アドバイザーのトノエルです。
この連載では、防災の専門家ではない主婦が、家族を守るために考えた、もしもの備えをご紹介します。
前回は、非常時の3つの場面のうち「CASE3:在宅避難」の状況を詳しく想像していきました。
次回は、自宅避難のための食糧備蓄法「ローリングストック」をあきらめてたどり着いた備蓄法をご紹介します。
あなたのお家の、非常時の備えはどうされていますか?
もしものときのために備えておかないといけないとは思いつつ、まだ何もできていないという方に、こんな一例もあるよと参考にしてもらえるとうれしいです。

和尚 / PIXTA(ピクスタ)
「在宅避難」って、どんなとき?
一口に非常時とか、避難とかいっても、その状況はケースバイケース。
だからって、そのケースごとに備えるのはムリがある。
そこで非常時の状況を、緊急性に合わせて想像してみました。
今回は、その中で一番可能性の高い「在宅避難」です。
・CASE3:在宅避難
災害時の食料備蓄法「ローリングストック」って知ってます?
災害時に自宅で避難生活を送るときに、必要になるモノの代表格、食べ物。
その備蓄法として有名な「ローリングストック」という方法をご存知でしょうか?

内閣府 防災情報のページより
内閣府の防災情報のサイトによると、「ローリングストック」とは日常的に非常食を食べて、食べたら買い足すという行為を繰り返し、常に家庭に新しい非常食を備蓄する方法のことをいいます。

dorry / PIXTA(ピクスタ)
つまり、普段からレトルトや缶詰をちょっと多めに買いだめしておいて、食べつつ買いつつを繰り返す、ということだそう。
「ローリングストック」は素晴らしい!だけど、あっさり挫折
内閣府も推奨する食糧備蓄法「ローリングストック」。
この方法の利点は以下の2つになります。
- 普段から食べ慣れているものを災害時にも食べられて、安心して食事をとれること。
- 一般的な備蓄方法と違って、賞味期限が短めなものも備蓄食品として取り入れられること。
ローリングストックすごい!筆者もやってみよう!と挑戦しました。
でも、あっさり挫折……。
筆者にとって、難しかった理由はこれです……。
毎日使う食品は、キッチンのそこそこ取り出しやすい場所に収納したい!(上の写真の開いている引き出し)
↓
非常時には1週間分の備蓄がのぞましいらしい。
↓
食品の在庫が多くなる。
↓
引出しに入りきらないー!たくさんの種類や賞味期限を管理しきれないー!!
という事態になり、早々に挫折してしまいました。
あなたのご家庭では「ローリングストック」できそうですか?

人工知熊 / PIXTA(ピクスタ)
内閣府の防災情報のページでオススメされているように、被災後3~7日目の5日分の食事をローリングストックで備えようとすると、4人家族の筆者の場合は……
1日3食 × 家族4人 × 5日間 = 60食分
60食分を缶詰、乾麺、フリーズドライ品などで用意しておくことになります。
これを日々の生活の中で消費しながら、買い足しながら、やりくりするためには……。
- 取り出しやすく、しまいやすい場所に収納しておくスペースが必要になる
- しっかりと在庫の管理をして、こまめに買い足しをする必要がある
ということに気づきました。
これは、筆者には難易度が高すぎます!
この失敗から、ローリングストックは、キッチンに大きなパントリーがあって、収納上手で、モノが多くても管理できる人向けだ……ということを悟りました。
「ローリングストック」をあきらめて、たどりついたもっと凄い食糧備蓄法とは?
ローリングストックできなかった……と、落ち込みぎみな筆者は、あらゆる賢者のブログを読みあさり、勉強させていただきました。
結果、わが家の非常時の食事はこんなふうに用意することに。
【被災1~2日目】
冷蔵庫やキッチンの食品庫に入っている普段使いの食品を食べる。
【被災3〜7日目】
この引出しに入れている食品を一段ずつ食べる。
非常時って、日常からは想像もできないほどの精神状態になるんでしょうね。
不安ななかで、食べ物も喉を通らないかもしれない。
だけど、食べないと余計に身体も心も良くない状態になってしまうのではないかと。
そんなときに、何も考えず、用意したモノを食べる。家族にも食べさせる。
そのためのシステムが、これということです。
いかがでしたか?
今回は、在宅避難のための食糧備蓄法「ローリングストック」をあきらめてたどり着いた備蓄法をご紹介します。
次回は、筆者が備蓄している食糧を、ひとつひとつ詳しくご紹介します。
丁寧な暮らしに憧れがあっても。まず大切なのは、家族と自分の命。
日々の暮らしと、防災、どちらかに偏ることなく、ほどよいバランスを見つけていきたいですね。
このシリーズが、あなたの家のもしもの備えについて考えるきっかけや、ヒントにしてもらえるとうれしいです。
「丁寧っぽい暮らし」をめざす、トノエルでした。
【参照】
※ 内閣府 防災情報のページより