長女(5歳)と長男(3歳)の子育てを、平日はほぼワンオペで行っている、整理収納アドバイザーのトノエルです。
この連載では、防災の専門家ではない主婦が、家族を守るために考えた、もしもの備えをご紹介します。
この備えを構築したのは2年前。子どもが成長し、引越しをした現在も、年に2回見直ししているので、その状況も合わせてご紹介していきます。
前回は、在宅避難のための食糧備蓄法「ローリングストック」をあきらめた話をしました。
次回は、そんな筆者がたどりついた、「非常食の備蓄法」をご紹介します。
あなたのお家の、非常時の備えはどうされていますか?
もしものときのために備えておかないといけないとは思いつつ、まだ何もできていないという方に、こんな一例もあるよと参考にしてもらえるとうれしいです。

和尚 / PIXTA(ピクスタ)
「ローリングストック」をあきらめて、たどりついた凄い食糧備蓄法
前回もご紹介した「ローリングストック」。
内閣府の防災情報のサイトによると、「ローリングストック」とは日常的に非常食を食べて、食べたら買い足すという行為を繰り返し、常に家庭に新しい非常食を備蓄する方法のことをいいます。
筆者も挑戦してみましたが、あっさり挫折しました。
ローリングストックは、キッチンに大きなパントリーがあって、収納上手で、モノが多くても管理できる人向けの食糧備蓄法だったのです。
ローリングストックできなかった……と、落ち込みぎみな筆者は、あらゆる賢者のブログを読みあさり、勉強させていただきました。
結果、わが家の非常時の食事はこんなふうに用意することに。
【被災1~2日目】
冷蔵庫やキッチンの食品庫に入っている普段使いの食品を食べる。
【被災3〜7日目】
この引出しに入れている食品を一段ずつ食べる。
非常時って、日常からは想像もできないほどの精神状態になるんでしょうね。
不安ななかで、食べ物も喉を通らないかもしれない。
だけど、食べないと余計に身体も心も良くない状態になってしまうのではないかと。
そんなときに、何も考えず、用意したモノを食べる。家族にも食べさせる。
そのためのシステムが、これということです。
引出しの中には、こんな非常食を入れています!
このシステムを作り上げたのは2年前のこと。
当時、1歳半だった長男には小麦・乳製品・卵のアレルギーがあって、小麦と乳製品は克服しようとチャレンジ中でした。
現在は3歳半になり、小麦は食べられるようになり、乳製品と卵は体調によって反応が出ることもある、という程度まで克服できています。
そんなわが家の非常食のメニューは、朝食、昼食、晩ごはんに分けています。
それでは、順番にご紹介いたしましょう。
「朝」はパン派。不足しがちな野菜もジュースで補います。
まずは朝食用の非常食をご紹介します。
- パン 2個
- ソイジョイクリスピー 1本
- 野菜ジュース 4本
日ごろから朝はパン派なので、パンを用意しました。
賞味期限が5年ある、非常食用のパンです。
食物アレルギーの心配がある長男のために、アレルゲンが含まれない“ソイジョイクリスピー”も備えています。
また、非常時は野菜の摂取が難しくなるそうなので、野菜ジュースも。
常温での保管ができるタイプのパックジュースです。
筆者の家族は、日ごろからキンキンに冷やした飲み物より常温で飲むのが好きなので問題ありませんが、常温のジュースが苦手な方は、常温でもおいしく飲めると確認されてから備えたほうがいいかもしれませんね。
「昼」は白ごはんにレトルトをかけていただきます!
次は昼食用です。
- 白米(α米)3袋
- 大人用レトルトカレー 2袋
- 子ども用レトルトハヤシ 1袋
α米は、熱湯を注いで15分、水だと1時間で白米になる非常用のお米。賞味期限は5年あります。
1袋でお茶碗に軽く2半分のごはんができあがります。
筆者は、まずは数袋購入して家族で試食し、おいしく食べられることを確認してたくさん購入しました。
レトルトカレーは温めなくてもおいしく食べられる、賞味期限が3年ある非常用のモノです。
植物油脂が使われているそうで普通のレトルトカレーより、口当たりがなめらか。むしろこちらのほうが筆者は好みです。
子どもには、子ども用のハヤシライスを用意しています。
毎日カレーだと飽きてしまうかもしれないので。
別の日のメニューには、中華丼のレトルトや、牛丼のレトルトなども用意しています。
「夜」は温かいスープも。ごはんも味のバリエーションを。
最後は夜ごはん用の非常食です。
- 味付けごはん(α米)2袋
- スープ麺 2個
白米ばかりだと飽きてしまうかもしれないので、味付けごはんも備蓄しています。
エビピラフ、五目ごはんのほかにも、カレーピラフや赤飯、わかめごはんの日もあります。
お湯が用意できれば、温かい汁物も食べられるよう、スープ麺も用意しています。
和風やアジアンテイストの麺の日もあれば、ショートパスタ入りのカップスープの日もあります。
ポイントにしたのは、汁まで飲み干せるタイプのモノということ。
災害時は、下水の配管の不具合で、汁物を処分できない可能性もあるそう。
捨てられないからと言って、カップラーメンの汁など、飲み干すと塩分の取りすぎになることもありますよね。
そこで、もともとスープを飲み干すタイプのモノを備えておくことにしています。
「おやつ」も忘れずに用意しましょう!
普段から、おやつがないと不機嫌になる年頃の子どもがいるので、おやつも用意しましょう。
- 小袋菓子 5袋
- ゼリー 4個
非常時も、これを食べている間は、穏やかで楽しい気持ちになってほしいなと、願いを込めて備蓄しています。
あなたのご家庭の非常食は、どんなふうに備えていますか?
今回ご紹介した非常食は、試食したり、家族の意見を聞いたりしつつ、メニューを決めて、ネットショップや近所のスーパーで買い集めました。
普段から、食事のメニューを考えるのが、面倒くさい筆者。
非常時は、例えば、地震でぐちゃぐちゃになった家の中を片づけているかもしれないし、二次災害に親子とも怯えているかもしれない。
そんななかで、普段から面倒だと思っていることをできる自信は……ありません。
用意した非常食は、何日目のいつに何を食べるかまで考えて一覧表にまとめておきました。
これで少しは安心かなと、考えています。
いかがでしたか?
今回は、食糧備蓄法「ローリングストック」をあきらめた筆者がたどりついた、非常食の備蓄法をご紹介しました。
次回は、この非常食の備蓄にかかる費用と、賞味期限について考えてみます。
丁寧な暮らしに憧れがあっても。まず大切なのは、家族と自分の命。日々の暮らしと、防災、どちらかに偏ることなく、ほどよいバランスを見つけていきたいですね。
このシリーズが、あなたの家のもしもの備えについて考えるきっかけや、ヒントにしてもらえるとうれしいです。
「丁寧っぽい暮らし」をめざす、トノエルでした。