この連載では、防災の専門家ではない主婦が家族を守るために考えた、もしもの備えをご紹介します。
前回は、非常食の備蓄にかかる費用と賞味期限について考えてみました。
今回は、水道・ガス・電気がストップする災害時に役立つ調理法「パッククッキング」をご紹介します。
あなたのお家の、非常時の備えはどうされていますか?
もしものときのために備えておかないといけないとは思いつつ、まだ何もできていないという方に、こんな一例もあるよと参考にしてもらえるとうれしいです。

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ご存知ですか?災害時に役立つ調理法「パッククッキング」。

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水道・ガス・電気がストップする災害時に、お鍋もお皿も汚さない調理法として注目されている「パッククッキング」。
学校や地域の防災訓練などで体験されたことがある方も、いらっしゃるかもしれません。
パッククッキングとは、ポリ袋に食材や調味料を入れて湯せんで火を通す調理法のこと。
災害時にライフラインが使えなくなっても、カセットコンロ、鍋、水、ポリ袋を準備すれば、簡単な食事を作って食べることができます。
百聞は一見に如かず。一度やってみたので、さっそくご紹介しますね。
「ごはん150g(お茶碗1杯分)」を作るために必要なモノ
災害時にも必ず家にあるであろうお米を使って、普通の白ごはんを作ってみました。
用意するモノは以下になります。
- 無洗米60g
- 水90cc+お鍋に合わせた量
- カセットコンロ+カセットガス
- ポリ袋
高密度ポリエチレン袋。スーパーに置いてあるような半透明の袋。
筆者は100円ショップのダイソーで購入しました。
- お鍋の底に入るサイズの皿
- 鍋+ふた
調理は簡単!1時間ほどで、ホカホカごはんができました。
では早速、調理の仕方を手順を追ってご紹介いたします。
(1)袋に空気を入れてみて、穴が空いていないか確認する。
(2)袋にお米60gとお水90ccを入れる。
(3)空気が入らないように、水の上の所をしっかりと握り、袋をねじねじして、袋の口のあたりを固く結ぶ。
(4)30分放置して、お米に浸水させる。
(5)お鍋にお湯を沸かして、お皿を入れる。
お湯を沸かすときには、熱効率を上げるためにフタをします。
お皿を入れるときに、お湯がはねるので気をつけてくださいね。
(6)お米の袋を入れる。袋がお鍋からはみ出ないように注意する。
(7)ふたをズラしてのせ、ぐらっぐらっという程度に弱火にする。
強火だとお湯が飛び散るので気をつけてくださいね。
(8)30分煮る。
ごはんが炊きあがりました。
(9)袋を器にかぶせて開く。
いただきます。
炊きたても、冷めてからも、おいしくいただけました。
メリットがいっぱい!覚えておいて損はない調理法です。

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このパッククッキングの良いところは、同じお鍋に他の袋を入れて同時に調理ができること。
そうめん50gと水400ccとだし汁大さじ2を入れて15分煮れば、煮込みそうめんができます。
焼き鳥缶とスライスタマネギと卵としょうゆ小さじ1を入れて混ぜて10分煮れば、親子丼に。
それから、お鍋に入れるのは、汚れた水でも問題ないとのことです。
このパッククッキングは、防災の達人、岡部梨恵子さんのブログや動画で学ばせていただきました。
いかがでしたか?
今回は、水道・ガス・電気がストップする災害時に役立つ調理法「パッククッキング」をご紹介しました。
次回は、自宅避難のための非常食や水、トイレ用品などの保管場所と、災害時にも役立つ消耗品の管理方法についてご紹介します。
丁寧な暮らしに憧れがあっても。まず大切なのは、家族と自分の命。
日々の暮らしと、防災、どちらかに偏ることなく、ほどよいバランスを見つけていきたいですね。
このシリーズが、あなたの家のもしもの備えについて考えるきっかけや、ヒントにしてもらえるとうれしいです。
「丁寧っぽい暮らし」をめざす、トノエルでした。