経験者だからわかる!海外引越で注意すべきポイント

 

筆者・とんちんは、2000年から2009年にかけて、シンガポールとインドネシアで働いていました。

東南アジアにおいては何もかもがゴージャス待遇の駐在員などではなく、しがない現地採用の身だったので、日本から海外への引越しは、スーツケース2個と機内に持ち込める手荷物のショルダーバッグ1個だけ。

引越し 段ボール

 

ところが帰国の際は、就職先が海外引越を生業としている会社(現地の情報誌も発行している)だったため、増え過ぎた荷物を自社のサービスで送ってくれました。

ということで、筆者が見聞きした海外から日本へ帰国する際の「帰国引越」情報と、筆者も関わった海外引越のエピソードをご紹介いたしましょう!

※海外引越しを「海外引越」と表記するのは、筆者が所属していた会社では、字面(じづら)の収まりがいいからとのことです。

 

日本への帰国引越しの流れ

飛行機 引っ越し

海外引越の手順は、行きも帰りも似たようなもんです。

1)到着予定日から起算して、1ヵ月前には引越業者を選んで見積もりをとります。

1社だけだと適正価格かどうかの判断がつかない場合が多いため、2~3社に連絡して相見積もりとします。

見積もりで値段がわかって入れば、交渉しておまけ(ささやかな値下げや追加サービス)してもらうことができます。

よっぽどヘンピな国でもない限り、日本の引越会社が各国に支社を出しているので、帰国の際の引越し見積もりには、日本人の担当者が来てくれます。

ほとんどの企業では、引越し代を会社負担でやってくれるでしょう。

でも、会社規定により、持ち帰りができる量(大抵、貨物に入る大きさ)が決まっています。

家具は大丈夫でも、ピアノやペットの輸送は個人負担となるようです。

見積もりに来る業者に、会社規定容量を話しておけば、面倒がひとつ省けますね。

 

2)荷物は、船便航空便に分けられます。

船便には、重いもの・大きいもの・壊れやすいものが向いています。

配達までに1ヵ月くらいかかるので、すぐに使うものはやめといたほうがいいでしょう。

航空便は、1週間後には配達してもらえるそうなので、衣類・お土産・学用品など、すぐに必要なものを送るのに向いています。

不要なものは、住んでいる国にてガレージセールを開いて売ったり、友達や現地の人にプレゼントするのが一般的。

売れ残ったものは、業者がサービスとして無料で引き取ったり、有料で処分してくれます。

筆者の場合、ゴミ集積場所にいろいろ置いといたら、1時間しないうちに誰かがほとんどの荷物(まあ、ゴミ)を持って行ってしまいました。

日本で買えるもの(服や電化製品)は、現地の同僚にプレゼントしたら喜ばれました(インドネシア人の平均月収は2〜3万円ですから)。

梱包された荷物は、業者によって搬出となります。

船 引っ越し

 

3)送る荷物には、輸出通関のための書類と、携帯品・別送品申告書という書類が必要です。

これらが揃っていないと、荷物を発送したり免税通関することができません。

どちらも、引越業者が用意して書き方を教えてくれます。

 

4)日本への持ち込み規制品・禁止品というのがあります。

麻薬・拳銃はもちろんのこと、ブランドもののコピー商品・ワイセツなDVDや雑誌・刃渡り15cm以上のナイフ(包丁は大丈夫)、それにワシントン条約で規定されている象牙・ワニ皮・絶滅危惧種の剥製なんかもダメです。

決して荷物に入れてはいけません。

ナイフ キャンプ

Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)

キャンプ用によく使われる刃渡りの長いナイフは、よく没収されます(筆者の場合は、手荷物になぜかナイフが紛れ込んでいて、空港のX線検査で引っかかり、警備員さんにどえりゃ〜怒られました)。

ワイセツなものといえば、PCのハードディスクにエロ画像やエロ動画を大量に保存して荷物に紛れ込ませていた人がいたのですが、輸送中に破損したため保険申請したところ、中身のデータを復元されてしまいバレちゃった事案がありました(筆者ではないです!)。

大切なPCが破損した(そりゃそうでしょう、別の意味で)ということで、引越業者の担当(女性)が、その荷物の持ち主にこっぴどく怒られてしまいました。

泣きながら謝ったそうですが、後で復元したハードディスクの中身を見て、多少の溜飲を下げたそうです。

データは、そのまま消さずに渡しましたとさ。

 

5)日本への帰国。到着した空港で、税関審査を受けることになります。

係官にパスポートを見せ、携帯品・別送品申告書を2部渡します。

申告書は、ハンコを押して1部を返してくれるので、引越業者指定のカウンターに持って行って渡すか、業者に郵送します。

日本側の引越業者は、この書類を使って輸入通関の手続きを代行することに。

 

6)荷物は輸出通関を受けます。携帯品・別送品申告書をもとに、規定の量をオーバーしていないか、輸入禁止品が入っていないかなどがチェックされます。

日本に到着した荷物の通関では、規定量をオーバーしているタバコや香水などは、税金を納めないと通関停止されてしまうので注意が必要です。

通関が終了すると、業者が到着日を連絡してくれ、配達する日が確定されます。

パイナップル

topic_ns / PIXTA(ピクスタ)

一方人間さまの方は、パイナップルやヤシの実などの植物やビーフジャーキーのような干し肉などを持っていると、例外はありますが、帰国した空港の動物検疫でひっかかって没収されてしまいます。

お土産にせず、機内で食べちゃいましょう。

インドネシアから日本への引越し

インドネシアから日本への場合

日本の引越業者に依頼すると、日本語ですべての作業がつつがなく行えるので便利なのですが、費用を安く抑えたい場合は、自分で通関手続きをすることも可能です。

筆者は、現地で使っていたバイク(250cc)を現地の格安業者に頼んで船便で送ってもらい、帰国後に横浜の税関に取りに行ったことがあります。

でも、輸出書類を持って東京都の陸運局にナンバープレートを取得しに行ったり、港ではヘルメットを忘れて到着したバイクに乗れず押して帰る羽目になったりと散々でした。

費用をケチると、リスクが格段に跳ね上がります!

 

ペットが国境を超えるのは大変です

うさぎ

ペットが国境を越えるのは大変です。

空港にクジャクを連れて行った女性が飛行機に乗れなかったり、ペットのハムスターを機内に持ち込もうとして見つかり、泣く泣く空港のトイレに流してしまったという話が、最近ネットニュースで話題になってましたよね(2018年1月あたり)。

密輸業社のようにペットを体にテープでとめて飛行機に乗り込むのは論外ですけど、正規の手続きに則って帰国させようとすると、長い時間がかかってしまうのです。

これに合法的な裏技はなく、ペットは可能な限り国外に出ない方がいいでしょう。

筆者のいたインドネシアでは、犬や猫を日本に連れ帰る場合、6ヵ月以上の準備期間がかかるそうです。

なぜ検疫が必要かというと、日本においては、特に狂犬病のウイルスを国内に入れないため。

狂犬病は、発症すると今のところ有効な治療法がないそう(ワクチン接種による予防はできる)。

日本ではすでに撲滅され、昭和32年以降発症のケースは報告されていないそうです。

でも、海外ではまだまだ狂犬病の発症リスクがあり、犬だけでなく、キツネ・スカンク・アライグマ・コウモリなども狂犬病のウイルスを持っている可能性が……。

動物検疫は、どうしても必要なんですね。

 

犬 ケージ

ESPER / PIXTA(ピクスタ)

ペットの犬や猫の輸出(帰国)は、以下のステップを踏みます。

指定地域と呼ばれるアイスランド、ハワイなどの6地域は、指定地域以外の国からの輸出入時よりも、狂犬病のワクチン接種の回数や期間などが短くなっています。

例にとるのは、筆者が住んでいたインドネシアの場合。指定地域以外の国です。

 

1)到着40日前までに、到着予定空港を管轄する動物検疫所に届け出なければいけません。

ホームページから届出書をダウンロードして必要事項を記入し、所轄の動物検疫所に郵送・FAXなどで届け出ます。

 

2)当地の動物病院などで、皮膚下にマイクロチップを入れてもらう。

農林水産省のホームページより

マイクロチップは直径2mm・長さ11mmくらいの小さな発信機みたいな装置で、動物の体に影響はないといわれています。

マイクロチップは、犬や猫どころか、人間にも利用されているようです。

スウェーデンの国営鉄道会社が、利用客の体にマイクロチップを入れてSuicaみたいに乗車券フリーにしてしまう方式の導入を発表(2017年6月)したとか、

アメリカ・ウイスコンシン州の自動販売機メーカーが、実際に希望する社員の手にマイクロチップを埋め込んで、オフィスのドアのセキュリティー解除や自動販売機などの利用ができるようにした(2017年8月)とか、

ちょくちょくニュースとして報道されていますね!

話が逸れましたが、日本でも迷子の犬猫、家畜の識別なんかに、マイクロチップが使われているようですよ。

マイナンバーの代わりに国民全員にマイクロチップの埋め込みが義務化、なんてことにならないよう。

 

3)狂犬病の予防注射を2回します。マイクロチップを埋め込んでからでないと無効になるそうです。

犬 予防接種

adam121 / PIXTA(ピクスタ)

4)2回目の注射が終わったら、狂犬病の抗体ができたか、日本の農林水産大臣が指定する検査施設で血液検査をする(抗体価測定)。検査結果は2年間有効とのこと。

 

5)輸出国(この記事の場合、インドネシアです)で、180日の間待機する。

180日というのは、狂犬病の潜伏期間から来ているそうです。採血日から日本到着までの180日間(約半年)は、出国できません! 検査後2年間の有効期限が過ぎてもダメです。

 

6)輸出国の政府機関が発行した証明書(マイクロチップ・ワクチン接種2回・抗体価測定の実施済みを証明する書類)を取得する。

 

7)日本到着後、動物検疫所で輸入検査を行う。書類が整っていれば、短時間で終了。不備があれば長期間(180日以内)の係留検査があります。

 

上記の手続きを自分でやろうとなると大変ですけど、現地の代行業者がちゃんといるので、その点は安心できます。

筆者のシンガポールの同僚(日本人女性)は、現地で飼っていたペットのウサギを、新しい赴任先の香港までしっかりと連れて行きました。

マイクロチップの埋め込みは不要だったけど、伝染性疾病(野兎病、兎ウィルス性出血病、兎粘液腫)にかかってない旨を証明する検査結果が必要だったとのことです。

旦那さんが海外引越の会社の社員なので、手続きはお茶の子さいさいだったでしょう。

海外引越に関しましては、日本の海外引越業界大手では、日本通運・商船三井ロジスティックス(ワニの引越)・エース物流サービス・ジャパンムーブ(ハトのマークの引越センター)・ヤマトロジッティックス(クロネコヤマト)などがサービスを行っているようです。

それぞれの会社には、アメリカよりヨーロッパの方が支社数が多い・東南アジアに特化している・単身者にお得な引越パックがある、などといった得意分野があるので、自身の状況に合わせて選択するとよいでしょう。

ただし相見積もりは忘れずに。

そういえば日通さん(日本通運)はインドネシアにも支社があり、筆者が勤めていた東南アジア主体の引越会社と競合していました。

コンテナ

帰国引越や海外引越の情報は、毎年2月を過ぎて帰国シーズンになると、現地の日本人向けフリー新聞・情報誌などに掲載されています。

現地にお住まいの方(と、赴任予定のある方)は、ぜひ参考にしてみてください。

 

【参考】

※ 農林水産省