防災

Sumai編集部

火災警報器から響く「ピッ!」音。気付くかどうかが生死を分ける

季節はそろそろ秋模様。これから冬に移りゆく中で、火の元には一層の注意が必要な季節になります。
実は今、「火災警報器の電池切れ」が大きな問題になっているのをご存じでしょうか。

火災から「我が家」と「家族の命」を守るためには、普段から火の後始末に気をつけるはもちろんのこと、万一への備えが極めて重要です。

なぜ今2019年なのか? 家族と家を守るために何ができるのか?
火災への意識が高まる季節だからこそ、徹底チェックしておきたいポイントをまとめました。

節目は2006年!? 取り付け義務化初期の火災警報器が電池切れの危機

火災

CORA / PIXTA(ピクスタ)

 

火災による犠牲者を減らすために消防法が改正され、全国で「住宅用火災警報器」の設置が義務づけられたのは2006年6月のこと。
東京都ではそれに先駆け、2004年10月に義務化されています。

 

「ウチは火災警報器が付いてるから大丈夫!」と安心しているばかりではいられません。

住宅用火災警報器は、古くなると電子部品の寿命や電池切れなどで火災を感知しなくなる恐れがあるため、定期的な交換が必要。
このことは意外に知られていない“火災予防の盲点”ともいえるのです。

交換の目安は約10年。特に出荷数の大部分を占める「電池式」は、電池切れになってしまうと“ただの飾り”でしかありません。
火災警報器義務化からおよそ13年。少しでも思い当たる方は、この機会にぜひ点検したほうがよいでしょう。

 

家に響く「ピッ、ピッ、…」というブザー音。気付くかどうかが生死を分ける

火災リスクを大きく高める「火災警報器の電池切れ」。
とはいえ、命を預かる大切な機器ですから、人知らず電池切れになることはありません。

火災警報器には、電池交換が必要になると、ブザー音や音声で知らせてくれる機能があります。
【火災警報器メーカー各社のブザー音はこちらから】

ただ、近年発売されているモデルは音声で「電池交換時期です」といったお知らせをしてくれますが、設置が義務づけられた2006年前後のモデルは「ピッ、…、ピッ、…」というブザー音が数秒間隔で発信されるというものが多いのです。

電子機器に溢れ、都市部では騒音が途切れない環境も珍しくありません。このブザー音に気付かないことも、十分に考えられます。

電池残量のチェック方法などは、警報器メーカーのホームページなどでも確認することができます。まずはすぐに「電池チェック」が大切です。

 

・火災による死亡理由の内訳

(出典:総務省消防庁 平成30年版 消防白書より)

このグラフのように、住宅火災における死者の約半数が逃げ遅れによるものです。もし火災警報器の電池が切れてしまえば、当然逃げ遅れのリスクも高まります。

・火災による死亡者の推移

(出典:総務省消防庁 平成30年版 消防白書より)

事実、火災警報器の設置義務化以降、住宅火災による死者数は減少傾向にあることがわかっています。

一方、火災警報器の設置は義務化されていますが、罰則などはなく、特に2006年以前に建てられた戸建て住宅などには、未設置なことも少なくありません。
読者の皆さんも「自分はマンションだから大丈夫」と思わず、ご実家などもこの機会にぜひチェックをおすすめします。

今選ぶなら「連動型」。火事を感知する「数分の差」が命取りに!?

住宅用火災警報器には大きく分けて「連動型」と「単独型」の2種類があります。

複数の居室で構成された一般的な住宅を想定すれば、今おすすめなのは「連動型」。
連動型は設置された複数の火災警報器が連動し、どこか1カ所で煙や熱を感知すると、連動したすべての警報器が鳴る方式です。

 

火の気はすぐ近くで上がるとは限りません。
特に戸建ての場合、寝室の警報に気付いたときには、すでに家全体に火が回っていたというケースもあるため、連動型のメリットは極めて大きいといえます。

寝室から離れた台所で火の手が上がった場合、連動型なら早期発見で消火・避難の成功率も高まりますが、単独型では火事に気付くまでに5分以上のタイムラグが発生することもあります。

火事での数分は、言うまでもなく命を左右する数分。いち早く危険を察知するために、最新のテクノロジーを使わない手はありません。

気をつけたい地震後の火事。「通電火災」の恐ろしさ

昨今も強い地震が定期的に起こる日本列島。
今年6月にも山形・新潟で震度6強の揺れを観測したのは記憶に新しいところです。
また、西日本を中心に対策が行われている、南海トラフ地震も、常に頭の片隅にある問題といえます。

地震災害でまず思いつくのは家屋の倒壊などの被害ですが、家自体は無事でも、その後の火事で家を失うケースがあることをご存じでしょうか?

 

 

地震後の出火原因の約5割が、電気の配線や電化製品などの「電気による火災」であることは意外に知られていません。

倒れた家具にケーブルが挟まれたり、電気ストーブがコンセントにつながった状態で倒れたりしていると、地震後に電気が復旧したタイミングで、通電によって火の手が上がる「通電火災」になる可能性があるのです。
地震だけではありません。今年9月、台風15号による千葉県の大規模停電においても、「通電火災」の報道があったのは記憶に新しいところです。「停電と火災はつながっている」という意識を持っておくことが非常に重要だといえるでしょう。

地震で落ちる「感震ブレーカー」が、地震での火事リスクを大きく下げる

このような「通電火災」への対策として注目されているのが、「感震ブレーカー」です。

地震による停電のあと、通電した場合でもブレーカーを強制的に遮断し、二次災害の発生を抑えることができる装置で、既存のブレーカーに追加設置が可能です。

電気設備の設計・施工などの業界規格となっている「内線規程」でも、今年4月に感震ブレーカの設置に関する勧告、推奨が改定され、今後の普及が予想されます。

人生においてもっとも大きな資産であり、家族の人生そのものともいえる我が家。火事や地震から家を守るために、今一度、「火災警報器」のチェックと、地震時の「通電火災」への対策を検討してみてはいかがでしょうか。

<参考>
総務省消防庁
一般社団法人 日本火災報知機工業会
経済産業省

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